経営者クラブ『つむぎ会』では、6月29日（水）の12:00〜18:30に豪華ゲストをお招きして、経営者限定ライブセミナーを開催いたします。
そのスペシャルゲストとしてご登壇いただく、連続起業家の、北原 孝彦（きたはら たかひこ）さまに経営者限定ライブセミナー前の事前インタビュー取材を行い、3記事に分けて公開。今回は、その2記事目になります。
1記事目の『自分の殻を破りたいなら、自分の意思でやってはダメ！常に爆速で成果を出し続ける考え方と哲学 連続起業家 北原 孝彦氏〜vol.01』では、北原さまが創業当初からどのような考え方、経緯でビジネスをされて来られたのかや、なぜそこまでエネルギッシュに活動し続け、成果を出し続けることができるのか、成功の秘訣を語っていただきました。
今回の2記事目では、今現在北原さまがどのようなビジョンを持って活動されているのか、また北原さんが事業を行う上で大切にしている事、について詳しくお伺いしていきます。
経営者限定ライブセミナーに参加される前にぜひ、ご一読ください。
北原 孝彦 – Takahiko Kitahara –
連続起業家
1983年長野県生まれ。理美容専門学校を卒業後、長野県の美容室へ。入社3年で店長に抜擢され、ブログやメルマガを活用して新規集客を拡大。同時に独自でWEBメディアを運営し、アフィリエイターとしても活躍。
勤めていた美容室を退社後、2015年5月に美容室「Dears（ディアーズ）」1号店を地元に開業。2019年10月には100店舗目を出店し、2020年12月には全都道府県出店。2022年3月現在171店舗を展開している。その他にも年商7億規模の通販サイトを運営や会社を5社経営。
新規事業の立ち上げや1,500名以上が本気で学ぶビジネス勉強コミュニティ「北原の精神と時の部屋」の運営に注力。自身の美容室事業の代表の他、美容商品卸事業、様々な母体の中心的な活動となる株式会社北原孝彦を創設しその代表も務めている。
そして、「協業」として有力な事業を創業と経営、マーケティング、プロダクトサポートを行い、13社を立ち上げる。その他、現在45社の顧問となり、様々な助言と改革を行っている。
2021年12月よりセミナー活動を本格スタートし、2022年は既に55講演が決まっており、講演家としての活動も活発に行なっている。
本インタビューは動画でもご覧いただけます。
事業全体の目標や展望、ビジョン〜起業家・事業家の学ぶ場所を確保したい〜
安井：私が著書を読ませていただいた際に「Dearsの事業をインフラにしていきたい」という部分が印象に残りました。Dearsだけではなく、現在取り組まれている多くの事業全体において、目標や展望、事業を通じて世の中に作っていきたい価値などのビジョンをお持ちでしょうか？
北原：起業家、事業家の学ぶ場所だけは確保したいと思っています。
というのも……ちょっと言葉が悪くなりますが、今、日本で起業・副業しようとされている方々は、僕も含めて「社会不適合者が多い」という印象があります。
我が強すぎて人の会社では勤められないとか、自分自身の実力不足や、会社の評価制度が整ってないからなど理由は色々あると思います。ただ、「そこじゃ嫌なんだ」という思いがあるからこそ、渋々でも副業からお金稼ぐことを始めたりとか、自分が今まで積み上げてきたものが無かったら無いなりに、生活するための副業・起業・事業を作っていくというケースが多いと僕は思っています。
したがって、社会に出てから慌ててしまったり、「このままだとやばいかも」と考えられる方が結構多い印象なんです。
例えば、海外では、当たり前のように学校が「起業」について授業で取り扱ってくれますが、日本はそうではありません。
また、僕自身も今、起業家さんとか事業経営者の方々にものすごく多くのご質問をいただくケースが増えているという現状があります。
そういった起業家の方々は、もっと前の段階、つまり学生の頃から起業や事業作りの知識や体験ができていたほうが良いのではないでしょうか。
あらかじめ事業作りに携われれば、社会に出る際「自分で起業する」か、「本当に好きな会社へお給料を度外視して入る」か、と選べるような状態が得られるはずです。そうなって欲しいと思います。
安井：それが「精神と時の部屋」でしょうか？
北原：はい、そうです。
今後、学生部門みたいなものを作ろうと思っています。学校での講演などを始めれば、小学校高学年から中学生、高校生までも参加してくれるようになるでしょう。
そこで、一緒に事業を作ったり、起業する経験をしてもらいたいです。
また、僕が今38歳なので、あと12年の間に500法人作ろうと思っているんですよ。
500法人作れば、世の中の事業ジャンルをほぼ網羅できるはずです。すると、起業・事業作りのデータバンクとなり、ありとあらゆる情報がそこに揃います。
最終的には、自分が選択したジャンルについての情報が一気に引き出せる形にできればと思っています。いわゆる進研ゼミの「こどもチャレンジ」を思い浮かべていただけると早いかと思います。
こどもチャレンジの企業版、「大人チャレンジ」のようなことができたらと、うっすら考えています。
ただ、こういった理想を口に出し、実績を積み上げてはいますが、そもそも世の中は僕にそれを求めてるわけではないので、実現してもいいし、できなくてもいいと思っています。
安井：「大人チャレンジ」のイメージとしては、中高生など若い子たちではなく、社会人になって起業したい方がターゲットでしょうか？
北原：もちろんそうです。既に社会人になって、起業に関わる方へ焦点を当てています。というのも、社会人になってから起業する方が楽なんですよ。
若い方の方が、起業は難しい。大人は、起業に対して危機感を覚えません。
子供の頃なんて将来どうなるか、10〜20年後のことなんか考えないじゃないですか。
だから、学生のときは、「やりたいことベース」で考えると思うんです。それが大人になってくると、「やれることベース」で考えるようになる。いわば、切羽詰まってくるわけです。
僕は、切羽詰まらないと人はスイッチが入らないと思っています。
また、「やりたいことベース」で考えたところで、結局「やりたいこと」として自分が提供できる価値がほとんどない状態なので、「ただやりたいことを言っているだけ」になってしまいます。やはり、そのままでは、頭の中にお花畑がある方が量産されてしまうイメージしか持てません。
そこで、学生に対して起業を教えることが難しいのであれば、まずは社会人になった方、大人の方々をターゲットにします。
僕の最初の顧客とは、やがて起業や事業作りで成功された大人のメンバーさん方のお子さんになります。
ご両親が既にスイッチが入ってる状態であるため、お子さんはもっと話を聞いてくれることでしょう。
学校で、学生さんに対して「起業・事業って夢があるよね」「タワーマンションに住んで、フェラーリ乗って、いろんな各拠点に家を持って……」と言っても、怪しいおっさんでしかありません。
安井：そんなことないですよ(笑)。北原さんは若い子に人気があると思っていますよ。
北原：それは、安井さんがリサーチされてるからですよ。
一般の方、単純にYouTubeなんかでヒカキンさんのような有名所を見られている方に対して「みんな、起業に興味ない？」と言ったところで、怪しいおっさんでしかないです。世の中は今そういったムードです。
起業イコール詐欺、ぐらいに思われているのが現状です。
そこに対して、どうすれば信用していただけるのかをちゃんと打ち出していかないと、とは思っています。
安井：なるほど。でも、あと12年で500もの事業を作られるという展開は非常に楽しみですね。500事業は既存も含めての数でしょうか？
北原：そうです。したがって、まだ全然これからです。ずっとチャレンジャーの気持ちでいると思います。
将来のライフプラン〜起業家・事業家のためのインフラを創りたい〜
安井：ライフプランについてのイメージはお持ちですか？例えば50歳になり、500事業を達成したら引退するといった……。
北原：500事業の話とはまた別ですが、起業家・事業家のためのインフラだけは作らせてもらえたらと思っています。
もし、このインフラが整えば、そこで1回自分が裏に回ってもいいかな、とは思っています。
単純に、自分がいただいた分を世の中に返したいだけなんですけども、今当たり前にこのZoomとかLINE、連絡手段としてiPhoneを我々は使っていますよね。
しかしながら、これらはどこかの起業家さん、事業家さん、経営者さんが世の中に対して不安や不満を感じながら、何か打開したいと思って打ち出した結晶体です。
僕らは、誰かが血と汗と涙を流した結晶体を当たり前のように使わせてもらっています。
僕らの世代だと、スティーブ・ジョブズを神だと思っている方が多いですが、このジョブスですらも数年後には忘れられてしまうのではないでしょうか。
しかし、このiPhoneシリーズというインフラだけは残ると思います。
過去に作られたインフラは残るんですよね。つまり想いとか、その人の名前とかは将来的になくなってしまいますが、もし「使ってもらえるインフラ」が作れれば、それは残り続けるはずです。
このように、過去から現在に至るまでいただいた結晶体のように、僕も未来の誰かの「踏み台」になれればいいかなと思います。
「人の原理原則的な動き（人の感情から出てくる動き）」を見ることが、複数の事業運営を成功させる秘訣！
林：非常に面白く聞かせていただきました。北原さんの事業構築のセンスやノウハウ、現状の事業も本当に素晴らしいと思っており、本日を楽しみしておりました。
私達の団体は、小さな会社同士、一緒に手と手を取り合って「共創」をしていこうというビジョンを持っています。共創と協業という親しいテーマについて、もしくはこれまでのお話から芽生えた質問をさせていただこうと思います。
1つ目の質問なんですが、今は主にサロンの方といろいろな事業を立ち上げられていると思います。
私達も同じように、顧客紹介の場としてではなく、中小企業の経営者同士が集まることで、新しい事業・会社などをダイナミックに作っていくための場として、企業共創アライアンスの大会を開催しています。
こちらを運営する上でのヒントも含め、北原さんがそこまでたくさんの事業を立ち上げ、運営できる理由についてお伺いしてもいいでしょうか？
北原：まず、事業って基本的に全部一緒だよね、と考えています。そこには抵抗感が存在せず、単純に数学の構成と同じであると捉えています。
人の感情などは起業に関係ないと僕は思っています。もちろん、0から1にする時、同じく1から5にする時には人の感情は大事だと思います。
ただ、その事業が世の中に広がるか広がらないかについては、「創業者の想い」は関係ないと思っています。
世の中的に「受け入れ窓口」があれば広がるし、世の中的に突き返されうるプロダクトだったら広がらない、という考え方でしかないんですよね。
したがって、僕は人の原理原則的な動き、つまり感情から出てくる動きを見ています。
例えば、まず、「あるプロダクトのターゲットになる人たちは、こういう欲求を持っていて、これを改善したいからお客様になる」あるいは「これを改善したくて社員になる」といった原理原則を把握した状態を得ます。
その上で、プロダクトを通すことにより、お客様が過去よりも良くなるような状態を見据え、その人たちだけをプロダクトへと通せるような状態にできる「レール」を構築します。
レールにお客様を通した際、その方の反応の再現性が0から1、1から5になる場合の各パターンを調査します。
その後は、5から100までを組織が解決していきます。僕の事業は全てこの通りに形成しています。「想い」なんかはどうでもいいです。
林：なるほど…潔く、気持ちがいいですね。
北原：世の中にたくさんある、毎日消費しているものでさえ、作っている人の顔なんて知らないわけです。
社長さんの名前、どこの会社が出しているかなんて聞かないはずです。つまり、どうでもいいってことなんですよ。
もし世の中的に便利なもの、必要とされているもの、つまりトレンドとマッチすれば新しいプロダクトは広がるでしょうし、マッチしないのであればどれだけ創業者が思いを発信したところで、社員が汗水流したところで広がらない、と僕は理解しました。
例えば美容協会においては今、美容室が全国25万件あると言われています。そんな土壌で、今ゼロから創業して新規に1万店舗作ろうとしても、多分無理だと思います。
時間軸的に考えると、1000店舗なら作れるかもしれません。原理原則や世の中の広がりを知らない人、捉えられていない人だと「1万店舗やりたいんです」と言ってしまうと思います。
すると、そういった方は色々な人を巻き込んで、大きな負け戦をすることになります。
そんなことをするぐらいであれば、「確実に広がるところまでまず広げ、その先1万店舗まで行けるかどうかは世の中に決めてもらおう」という方法を取るでしょう。というよりも、残された方法はこれしかないです。
林：いわゆる最近のスタートアップのように、風呂敷を広げて資金調達して、というよりも、北原さんはしっかりとマーケティングのテストをやりきっている方だという印象があります。
北原：資金調達はしたことはないですね。
というのも、資金だけを目的とした調達は、スタートアップ時点では危険ではないかと僕は思っています。
資金調達ではなく、人脈から得られる相手側のスキルや、リソースをいただけるような調達なら問題ないでしょう。
資金調達された会社さんからは、かなりの頻度で赤字報告を聞くことが多い印象です。
林：そうですね。「赤字でも良いから始めよう」という前提があるため、資金が必要になってしまいます。
北原：資金を調達して0から1、1から5をやるのではなく、0から1、1から5が終わった段階で初めて、今度は「100」を達成するために資金調達をするのであれば理解できます。
ただ、僕の浅はかな経験からではありますが、100の段階まで行けば、もう銀行など外側へ調達しに行く必要もないのかな、とは思えてしまいますね。
林：ありがとうございました。最後3記事目は、企業共創についてや、会社をどのように大きくしていくべきかなどについてや、人材や人間関係に関する北原さまの考え方などお話をお伺いしていきます。
お楽しみに。
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