経営者倶楽部『つむぎ会』では、毎月第2水曜日の18時〜定例会を開催しています。
定例会では、毎回、業界のトップランカーをのゲストをお招きして、ご自身のビジネスについてはもちろんの事、起業の経緯や、上場までの軌跡や苦労、成長の過程で得た気づきなどを本音で語っていただいています。
林 雅之 様
株式会社ラバブルマーケティンググループ 代表取締役
1972年生まれ。立命館大学法学部卒。三和銀行(現 三菱UFJ銀行)に入行。その後大手半導体メーカーの海外営業担当としてフランス・デンマークの営業拠点開設に奔走。
2008年に株式会社コムニコを設立し、代表取締役に就任。
2016年にはSNSに関わる教育プログラムの開発・人材育成事業を行う一般社団法人SNSエキスパート協会を設立し、理事に就任。
2014年に「愛されるマーケティング(Lovable Marketing)の実現」をビジョンに、株式会社ラバブルマーケティンググループを設立し、代表取締役に就任。株式会社コムニコをはじめ、専門性の高い複数の企業を傘下に置いている。2021年12月東証マザーズ(現東証グロース)市場上場。
著書に「デジタル時代の基礎知識『SNSマーケティング』第2版 「つながり」と「共感」で利益を生み出す新しいルール」(翔泳社)がある。
今回は、講演にあたって、一般社団法人企業共創支援機構理事の安井 麻代(やすい まよ)と、林 周平(はやし しゅうへい)が、株式会社ラバブルマーケティンググループの林 雅之(はやし まさゆき)さまに、当日みなさまに伝えたい事などについて、事前インタビューを行わせていただきました。
当日参加を予定されている方、もしくは今この記事を始めて見られた方も、ぜひご一読ください。
林 雅之さまの自己紹介
安井:まず最初に、自己紹介と、今行っている事業について教えてください。
林(雅之):はじめまして。林 雅之(はやし まさゆき)と申します。
株式会社ラバブルマーケティンググループを経営しており、会社自体は、2021年12月に東証マザーズ(※今現在の東証グロース)に上場しております。
グループ全体としては、3つの子会社を保有しており、私は、そのグループ会社全体を経営しているという感じです。
事業としては、主にSNSマーケティング事業をやっています。
具体的には、企業のTwitterやInstagramなど、SNSのアカウント運用を、テクノロジーの面(SaaS型運用支援ツールの提供)、人の面(運用の支援)、教育の面からお手伝いをしている、そんな会社です。
会社の規模としては、今現在、年商が13億円程で、社員数が160名程になります。
安井:林社長は今おいくつになられるのでしょうか。
林(雅之):2022年の3月で50歳になりました。
社長をやり始めてから、ずいぶん長い年月が経ちますが、年齢については驚かれる事が多いんです。
社長として手掛けた会社を去ることになり、第2創業のきっかけに!
安井:林さんが元々起業されたきっかけは、何だったんでしょうか?
林(雅之):起業するきっかけというのは、色々あるんですが、長い会社員人生の中で、「自分でやりたくなった」というのが、一番大きなきっかけだったと思います。
そんな中、声をかけてもらったのが、オーナー社長1人でやってる小さな会社でした。
「起業するつもりで、やることが決まってないんだったら、手伝わないか?」と誘われてその会社に入ったのが最初です。
その会社では、新しい事業を作って、売上3億、社員十何人位まで成長させることができました。社長という名目でやらせてもらっていたので、それが僕の実質的な1回目の創業という感じです。
その会社では、「社長として大きな功績を出している」と思っていたんですが、誘ってくれたオーナーと方針の違いで会社を去ることになりました。
それが悔しくて。その時に、いわゆる「なにくそ根性」といったものが働いて立ち上げたのが、今の会社の前身という感じです。
SNSの可能性にワクワク!2008年にSNSマーケティング事業を立ち上げ、第2創業人生のスタート!
安井:今の会社を創業する前に、そのような背景があったとは意外でした。
林(雅之):そうですね。ただ、全然SNSが普及してない時から、僕はその可能性にワクワクしていて、その周辺で何かをやりたいとは思っていました。
前の会社も今の会社もそうなんですけど、やっぱりインターネットやSNSの可能性ということには当時から凄くワクワクしていて、2022年になった今でも「すごくいい時代になってきたな」と凄くワクワクしてるんです。
インターネットやSNSについては、まだまだ色々な問題はありますが、SNSが普及したことによって、色々な人が社会に意見表明できるようになって、ブログやYouTubeなども生まれて、それを通じて何らかの影響を人に与えることができるようになってきた事って本当に凄いことだよなって思うんです。まさにPOWER TO THE PEOPLEという感じです。
「このインターネットや、SNSの世界というのは、今後も凄く大きくなっていくだろうな」という事を、2008年に感じて、SNSマーケティング事業を立ち上げました。これが僕にとっての、第2創業になります。
実は、2008年って、Facebookや、Twitterが日本語のインターフェースを備えた年なんですよね。
安井:2008年当時って、Facebookをやられてる方がたまにいらっしゃるぐらいで、全然普及してなかったですよね。
林(雅之):当時はみんな「日本では流行らないでしょ。mixi(ミクシィ)があるからね」って言ってましたね。
2021年12月、上場企業に
安井:なにくそ根性で、第2創業をされたという経緯をお聞きしてきました。林社長は、2021年12月に東証グロース上場されて、華々しい成果・結果を出されていると思うのですが、ここに至るまでの苦労話など、もしあれば、ぜひお聞かせください。
林(雅之):苦労話ですか…。第2創業のスタートが先程ほどの理由ですからね。
当時はお金もなかったし、苦労も色々としてきましたが、第2創業初期で言えば、一番印象に残っているのが2008年9月のリーマン・ショックの時期です。
「なにくそ根性」で2008年に会社を立ち上げたのに、リーマン・ショックの影響を大きく受けてしまったんです。
当時は、SNSマーケティングを事業としてやる事自体が珍しくて、SNSマーケティング事業をやる会社は大体が外資系の企業でした。
要は、「アメリカで流行ってるから、日本でも流行るだろう。だけど、サポートできる会社がないから、そういうお客さんをサポートしよう」と思ってやっていたんですが、リーマン・ショックの影響で、案件の多くが飛んでしまって、あっという間にお金がなくなりましたね。
苦労と言えば、他にもいっぱいあるんですけど、第2創業初期の段階で言えば、あの時が一番ですかね。「倒産するかも」って思ったのは、今までであの時だけですから…。
安井:私も2007年に会社を作っているので、リーマンショックを体験しているんですが、その後も色々ありましたよね。東日本大震災だったり、今回のパンデミックだったり…。やはり、そのリーマン・ショックの苦労経験があったからこそ、その後の困難っていうのは、難なく対応できた感じなんでしょうか?
林(雅之):いえ、今回のパンデミックに関しては、影響を受けたんですよ。久しぶりに赤字になったし、影響を受けたんですが、逆に追い風にもなったんですよね。
みなさんの中にも、思い当たる節がある方もいると思いますが、今回のパンデミックの影響で、家にいる事が多くなったという方が多いと思うので、結果的に多くの人のSNSに費やす時間が長くなってるんですよね。
多くの人がSNSに費やす時間が長くなるという事は、SNS上でのマーケティング活動をする価値自体が上がってる、ということなので、これまでSNSに取り組んでこなかった色々な企業が、「そういう事をもっとやっていかなきゃね」という方針に、大きく舵取りをするようなきっかけに繋がったんです。
もう1つ言えば、今回のパンデミックの影響で、リモートワークになったことで、「あ、できるじゃん」という大きな発見があったんです。東京にオフィスがあるからといって、東京の人である必要はないと気づけたんです。
だからこそ、今年の4月に採用した人の中には石垣島在住の人とかいるんですよ。
実際に、うちの会社は、今現在、ほとんどの社員がリモートワークです。
そういう働き方の可能性がどんどん広がってきたという意味で、プラスだったなと思います。
確かにパンデミックがあって、赤字にはなりましたが、プラスとマイナスの両方あったという印象です。
安井:確かに、SNSで過ごす時間が長くなったという事は、今からSNSを頑張れば、何か新しい可能性につながる可能性があるということですもんね。6月8日に来てくださる方にとっては、6月8日の林社長のお話の中に、ご自身の事業だったり、会社を飛躍させるヒントがあるかもしれないですね。
林(雅之):そうですね。それはあると思います。
経営者として大切にしているのは、「自分の好きなことをやる」という事
安井:経営者をされている中で、大事にされてることがあったら、ぜひお聞かせください。
林(雅之):実は、サイドワークとしてコーチングをやっているんです。自分で事業をやられてる方や、その右腕の方などに、コーチングをやらせていただいているんですが、多くの方へのコーチング経験を通して思ったことが、「経営者って、一見、不真面目そうに見えても、実は真面目な人が多い」という事です。
みんなの期待に応えたいし、何かいいことをやりたい。つむぎ会に集まっている経営者の方々も何とか、自分の会社や事業をもっと大きくしたいとか、しなきゃいけないと思われていたりすると思うんですが、やっぱり「事業をやる」という事はリスクも高いし、しんどい事も多いと思うので、大事なのは「自分の好きなことをやること」だと僕は思うんです。
そうは言っても、大人も子どもも、自分の好きな事が分からないので困ってるんだと思うんですが、自分自身の内省を深めて、「僕が好きなのはこういうことだよね。それ以外は、いろんな人の力を借りよう」と開き直れるかどうか、というのは凄く重要な事だと思います。
どうしても会社や事業の規模が小さいうちは、「あれもこれもそれもどれも自分でやんなきゃ」ってなると思います。自己成長のためと言って、「最初は何でもかんでもできる!」「やんなきゃいけない」と張り切りがちです。ですが、何でもかんでもできる人なんてこの世にいないと思うんです。
何でもかんでも自分でやろうとして、結局全てが中途半端になってしまうという状態にならないように、「自分はこういう人間だから、こういうことで自分はバリューを出してくんだ」というのをちゃんと見つける、ということが僕は重要なことだと思っています。
安井:実際、私も経営者の方々とお話していて、そういうお悩みってよく聞くんですね。皆さん一同におっしゃるのが、「自分が何をやりたいかよくわからない」という事なんです。
ぜひ、6月8日の当日は、「林流!自分の好きなことの見つけ方」とか、「内省の仕方」などもお話しいただけたらと思います。
最後に、当日参加される予定の皆さんに一言メッセージをお願いします。
林(雅之):林です。どれだけ僕がみなさまのお役に立てるかわからないですが、せっかくなので、その場では、何でもお話しさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
安井:ありがとうございました。それでは、当日お会いできること楽しみにしております。
2022年6月8日(水)の18:00〜に開催されるつむぎ会定例会では、SNSマーケティングにおけるトップランカーとして活躍されている、株式会社ラバブルマーケティンググループ代表取締役の林 雅之(はやし まさゆき)さまにお越しいただき、『「つながり」と「共感」から生まれたSNSサービス〜第2創業から上場に至るまでの起業スピリットとは?』というテーマでご講演いただきます。
SNS黎明期から一貫してSNSマーケティングに取り組み、これまで多くの企業のSNS運用を成功に導いてきた、林 雅之社長。今後さらに伸びると期待される、SNSマーケティングの可能性をぜひ体感してください。